認知症を患った高齢者に接するときのポイントとして、怒ったり、相手を否定するような言動を避けることは非常に重要です。例えば、認知症初期の高齢者の場合、認知症の症状に対して疑問を持ったり、不安を抱えているケースが少なくありません。そんな中で、自分の言動で相手を怒らせてしまうと、自分の中に閉じこもってしまうようになったり、人を避けるようになってしまう可能性が出てきます。このような状況になると、認知症になった当事者は自分に対しての自身を失い、ますます症状の悪化に拍車がかかってしまうので、注意しなければなりません。
ですから、認知症の進行を抑えるためには、介護職は理不尽な言動を取られても、怒ったり、否定をするのではなく、相手の気持ちを理解しようとする姿勢を示すことが大切です。それから、ほかの人との関わり合いを避けるような場合は、できる限り声かけを行い、レクリエーション活動や散歩などに誘うようにしましょう。人と会話をしたり、ふれあいの時間を設けることは、脳への良い刺激になります。ですから、何気ない会話はもちろんのこと、介護職以外にも家族と接したり、同じ施設の入所者との交流が持てる機会を作ることは重要なのです。
また、このほかにも、認知症の高齢者への対応で欠かせないポイントとなってくるのが、過剰な介護をしないことです。なんでも先回りして対応してしまうと、せっかく本人に残されている能力が失われる可能性があります。ですから、認知症であっても高齢者ができることはやってもらい、介護職はアドバイスをしたり、怪我をしないように見守るする程度にしておくことを意識しましょう。